ぐるぐるぐるめ♪

栃木県産。東京→奈良→静岡→ふたたび東京、たま〜に海外旅行、食べある記。10年以上書いてますので、すでに閉店しているお店もありますがご容赦を。

未来カプセル(過去からの手紙)

普通の手紙なら、宛て先と名前を書けば
数日後にはその人に配達される。
でも、四半世紀後に、どこでどうしてるか
わからない人に手紙を届けたい場合はどうしたらいいだろう?
時を越えて配達する「時間郵便局」
どこかに存在するのかもしれない。
今回はそんなことを考えてしまったお話です。


先週、雨が止んだ直後、目黒の空にぽっかり浮かんだ虹。


こんなに、のどかな目黒の空から、
たくさんの爆弾が降ってきたこともあるんだよね・・・
そう、あまりにも残酷で想像もできないのだけれど
数十年前の空襲時には、このあたりは焼け野原になったのだと聞く。


それは、東京大空襲を記憶する父から(ちょっとだけ)
聞いたことがあるのだ。
(・・・(゜-゜)何がすごいって、
真夜中の、火の海の中を、三人の幼児を連れて
生きのびたおばあちゃんだよね・・・)


考えてみれば不思議なことだ。
数十年前に父達が住んでいたすぐ近所に就職することになるなんて。
あの時、祖母と一緒に父も亡くなっていたら。
平成の世に私がのんきに目黒に通勤することはできなかった訳だよね。


そんな祖母の苦労を思えば、満員の通勤電車が
イヤだ〜(>_<)なんて甘いことは言ってられないよね!
とか思いながらどうにかこうにか毎日の山手線通勤地獄(!)にも耐え、
新職場に通い始めて一ヶ月が経った頃、私に一通の手紙が届いた。


それは祖母からの手紙で、このように書かれていた。


「お勉強が好きなのね、このまま頑張れば、
きっと将来は女の博士になれます。
私は100歳までも生きながらえて、見届けたいと思います。」


実は祖母は20年も前に亡くなっているのだ。
祖母が生きて私の将来を見届けることはできなかったのだが−−−
この手紙は、以前住んでいた家の物置から、
数日前に私の幼い頃の写真とともに発掘されたのだという。


私は、子供の頃にこの手紙を読んだ記憶は無い。
(当時読んでいても、忘れてしまったのかもしれないが)
当時の私に宛てた手紙の下書きかもしれないと父は言う。
おそらくこの下書きを易しい平仮名に直して私に送ったのだと。
でも・・・


どうして、この手紙が、博士を取って卒業して就職した
ベストタイミングでわたしに届くの?


まるで、本当に、おばあちゃんからの大学院卒業祝いの手紙のよう。
祖母は、約束どおり、私の将来を見届けてくれたのだ。


父から、その手紙の内容を伝えられたとき、
涙があふれて堪えられなかった。


時間郵便局がどこにあるかわからないけれど、
時を越え私の手元に手紙を届けてくれたらしい。


私からも卒業祝いのお礼の返信を出したいなぁ、おばあちゃん。
どうしたら届くんだろう。
とりあえず今度帰省したときにお墓参りするかなぁ。
それとも、おばあちゃんが命がけで守って育ててくれた、
私のお父さんを大切にすればいいのかな?