ぐるぐるぐるめ♪

栃木県産。東京→奈良→静岡→ふたたび東京、たま〜に海外旅行、食べある記。10年以上書いてますので、すでに閉店しているお店もありますがご容赦を。

ぶどうの国で夏休み(前編)

♪10時ちょうどの〜(正確には10時4分)


♪あずさに乗って〜(2号でなく55号)

(車両の中がぶどう色!)

ぶどう(おもに酒)への期待が否応なしに高まります。


♪わたしは わたしは 都内から 旅立ち〜ます〜

夏だなぁ〜
お天気も良いし。今夜は清里のペンションに泊まるんだよね。
避暑地だし、きっと涼しいんだろうな〜


。。。しかし、




この電車、どこに連れてく気だろう。。。(不安)
電線があるってことはこの先にも文明があるってことだよね?大丈夫だよね?


小淵沢から日本一の高原電車、小海線に乗り換え、甲斐小泉駅へ。

蝉の声ってこんなに大きかったっけ。


電車が2時間に1本しかない!絶対乗り遅れられない!

甲斐小泉駅時刻表)


そして電車なのに整理券。(バスか)


なんとこの甲斐小泉駅、Suicaパスモも使えず。自動改札がないため
どこからともなくカード読み取り機を持った駅員が現れる。
そしてどこからともなく去っていく。(風の又三郎か)

基本、無人駅なんですね。


ま、待って!こんな山の中に置いてかないで!

この世に蝉と私たち2人(Tさんと私)しかいないみたいよ?


今回この駅に来たのには理由がありました。
この美術館に行くためです。

あら!イケメン!奈良や鎌倉にいるあのお方と、同一人物には思えない!
さすがシルクロード!エキゾチック
ちょっとニヒルに笑ってるところがまた。。。

悟ってない。
絶対悟ってる人の顔じゃないよ
そのへんでナンパしそうな顔だよ


「美術館にカフェが併設されているそうですから、そこでランチにしましょう。」
と、話し合い、カフェに向かいました。


美術館併設のカフェ「サライ」に入ると、大きなラクダがお出迎え。


カフェの店員
「すみません、ウチはアップルパイしか無いんです。」


アップルパイしか無いカフェ?!

いや、手作りアップルパイ、おいしそうだけど。
でも、ランチにするにはちょっと、足りないよね。


カフェの店員
「あっちの方向にレストランがありますよ」
と、窓越しに見える緑の草むらを指差してくれましたが
その方向にレストランらしきものが見えない。。。


果たして、この階段を素直に下っていっていいものだろうか??


風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。
「あるきたくないよ。ああ困ったなあ、何かたべたいなあ。」
「喰べたいもんだなあ」
二人は、ざわざわ鳴るすすきの中で、こんなことを云いました。
その時ふとうしろを見ますと、立派な一軒の西洋造りの家がありました。

そして玄関には
(西洋料理店)
亜絲花
という札がでていました。


「ちょうどいい。ここはこれでなかなか開けてるんだ。入ろうじゃないか」
「おや、こんなとこにおかしいね。しかしとにかく何か食事ができるんだろう」
「もちろんできるさ。看板にそう書いてあるじゃないか」
「はいろうじゃないか。もう何か喰べたくて倒れそうなんだ。」
 二人は玄関脇のテラスに立ちました。テラスや内装は実に立派なもんです。


 そして網戸の開き戸がたって、店主が出てきました。
「ランチはコースですよ。」
二人はそこで、ひどくよろこんで言いました。
「こいつはどうだ、やっぱり世の中はうまくできてるねえ、きょう一日なんぎしたけれど、こんどはこんないいこともある。」


まさかのフレンチですよ!!


いや〜、Suicaパスモも使えない山の中に
まさか、こんな本格フレンチのお店があるなんて。
なんというかキツネにつつまれたような(フッカフカだな!)
つままれたような不思議な気分ですよ。


いや〜、大丈夫かな。半信半疑。
「壺のなかの牛乳クリームを顔や手足にすっかり塗ってください。」
とか、
「牛乳クリームをよく塗りましたか、耳にもよく塗りこみましたか」
なんて、
扉とか窓とかに書いてあったらどうしよう?


山菜やほおずきの実、スズキの燻製を使った前菜

生のまま食べられる茄子が甘い。


いや〜、このタイミングでフレンチを食べるとか想定してなかったので
本当、人生ってわからないものですね!
あとでネットで調べてみたら
フレンチひとすじ40年のシェフが切り盛りしている本格フレンチのお店でした。


焼きたてのパンが大変おいしいです。中はモチモチ、外側はカリカリ。
冷製スープは夏野菜のガスパチョ


今回の高原の旅を通して感じたのは、パンのレベルがとても高い
本格的でおいしいということです。次の日の朝食に買った清里のパン屋もすごかった。


スズキを使ったメインディッシュ。
たしか、フォアグラを使っていたような。。(←興奮しすぎて説明を聞いていない)
とてもおいしかったです。


食事後に店の外に出て、振り返ったら
「にゃあお、くゎあ、ごろごろ。」という山猫の声がして、店はけむりのように消え、二人は寒さにぶるぶるふるえて、草の中に立っていました。
。。。ということにはならず、ただ夏の日差しがまぶしいだけ。
いや〜、面白い、おいしい体験をしました。



おまけ画像:美術館のアップルパイもおいしかったよ。
(結局食べる)


中編:秋色の別荘地「清里
後編:勝沼編「ワインの画像しか載せるつもりはない。」
へ続く。



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