ぐるぐるぐるめ♪

栃木県産。東京→奈良→静岡→ふたたび東京、たま〜に海外旅行、食べある記。10年以上書いてますので、すでに閉店しているお店もありますがご容赦を。

イギリス旅行記 Tower of London (倫敦塔)

タワーヒル駅を出たら、見えてきたよ、ロンドン塔。

今日はちょっと趣向を変えて怖いロンドンをご紹介。


11世紀に建てられたこの城砦は、
過去、身分の高い政治犯
陰謀に巻き込まれた貴族や王族の牢獄で、


処刑場だった。


あ、すき好んで心霊スポットに行ってるわけではないですから。
ここはれっきとした、ロンドンの有名な観光スポットですから。
この日だってたくさんの観光客がいたし。


でも、ロンドン観光初日の一発目に、ここを訪れる私たちは
かなりディープかもしれない。


夏目漱石の著作に 倫敦塔 があるのですが(赤字で抜粋
たしか、明治時代に2年くらい、イギリス留学してたんだよね。
倫敦塔


。。。古来から塔中に生きながら葬られたる幾千の罪人は皆舟から
この門(逆賊門)まで護送されたのである。
彼らが舟を捨ててひとたびこの門を
通過するや否や娑婆の太陽は再び彼らを照らさなかった。
テームスは彼らにとっての三途の川で、この門は冥府に通ずる入り口であった。


よせばいいのに、この門のあたりで写真を撮影してみたら、妙な赤い霧(かすみ?)のようなものが写るし。
(そんな写真は旅行で撮った1000枚中この1枚だけ)


あとで調べてみたら
かつては逆賊門に面する橋の入口には門があり、
その屋上にはロンドン塔で処刑された人の首がたくさん晒されていた。
とか。



えっ?本当に??そんなところで写真撮影しちゃったよ!
もう、それを早く言ってよ!(泣)写真撮影禁止の札を立てて〜
本当かどうかわからないけど、でも変な写真だし、
写真削除!!削除!!削除〜〜〜!!!
すぐiPodから削除しましたが。




そして、たしかに、夏目漱石が書いたように「テームス」が、脇を流れている。
地形も変わっていないのね。(何?このおどろおどろしいテームス)
そして、過去数百年の護送されて来た「罪人」たちが見たのと同じ「テームス」。

ちなみに、この橋は「タワーブリッジ」。
ロンドン橋じゃないよ。ロンドン橋はその隣にある橋らしい。
(しかし、ロンドン橋の歴史も悲惨。戦争と火災で何度も落ちてる。)


まさに、ロンドンは国の中心地であり、それと同時に生と死の交差点でもある。



交番のような箱があってその傍に甲型の帽子をつけた兵隊が銃をついて立っている。 by 夏目漱石

うわ、ここも夏目漱石が書いている文章どおりだ。
同じなんだね。わたしは今、夏目漱石と同じ風景を見ているんだね。
なんだか不思議な気分だ。


さらに、ロンドン塔のカラスの飼育の理由が妙に怖い。

ワタリガラスは大型で雑食の鳥で、1666年に発生したロンドン大火で出た大量の焼死者の腐肉を餌に大いに増えたともいわれている。当然、ロンドン塔にも多数住み着いたが、チャールズ2世が駆除を考えていた所、占い師に「カラスがいなくなるとロンドン塔が崩れ、ロンドン塔を失った英国が滅びる」と予言され、それ以来、ロンドン塔では、一定数のワタリガラスを飼育する風習が始まった。


その占いを信じて、今もカラスを育ててるんだよね。。。イギリス。


でもやっぱり、一番怖い歴史は
16世紀の、16歳の女王の話。
政略結婚で周囲の人たちに女王に祭り上げられたはいいけれど、



まさに「事態は風雲急を告げたのである。」的なナレーションが似合いそうな図。
なんでこんな雰囲気抜群な写真が撮れるんだろ、ここ。



あれよあれよと女王になったが、
たった9日間で王位を簒奪されて牢獄に入れられ、処刑されたジェーン女王。

この絵は、後日行ったナショナルギャラリーに飾られていた、
「レディ・ジェイン・グレイの処刑」
すごく簡素な首切り台なんですよね。それが恐怖を倍増。
血が飛び散ってもいいように
藁なんか床に敷かれてたりして妙にリアル。


全体像を見ると、

周囲には、気を失うお付きの人とか嘆き悲しむ女中(左)とか、
首切りの斧を持つ処刑執行人(右)とか。


この女王、このときまだ16-17歳くらいなんですよ。
怖いよ。この女の子を女王に祭り上げた周囲の人々が。
一番怖いのはお化けじゃなくて欲深い生きている人間。



15世紀にロンドン塔で行方不明になったままの2人の王子(兄弟)もいます。

「塔の中の王子たち」(王位を狙う叔父が暗殺した説アリ)
行方不明のまま、今はどこにいるんでしょうね。。。
心細そう。。


その後も
ヘンリ−8世の時代も処刑は続いていたし。
(王妃たちを次々と処刑していくのね。アン・ブーリンとか、有名なエピソードですね。)



ロンドン塔を観光するにあたって、最初に音声ガイドを借りたのだけど、
Bloody Tower(血塔)と書かれた看板のあたりで足がすくんでしまった。
Bloody Tower(血塔)は音声ガイドで最後を飾る場所なのだけど
もうこれ以上足が動かないや。
入り口を覗いてみたら、トゲトゲしい拷問器具が見えちゃった。もうダメだ〜
遊園地のお化け屋敷みたいにファンタジーじゃなくて、全部、
実話なんだもんなぁ。



こうして我々のロンドン観光は初日の幕を開けたのでした。
いや〜、時差ぼけの目がいっきに覚めたよ〜



もちろん、血まみれの歴史だけじゃなくて、王族の宝石や王冠、
鎧など歴史的な遺物の、(普通の)展示コーナーもあるのです。

そしてまた、道化師のような服を着た案内人が塔内を案内する楽しげなツアーもあるので、怖いだけじゃない(はず)体験もできると思います〜



万が一ここで何かに取り憑かれていたとしても
次にいく大聖堂で浄化されるに違いない!!




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